素人のおっさんが建築を独学する

素人のおっさんが建築を独学する記録

愛知産業大学(科目等履修生)は,ひとまず終わりにします。

(これまでの経緯)

芸術系の大学は,通信教育といえども結構なお値段の学納金。

いきなり正規の学生として入学して,「こんなはずじゃなかった」と後悔したくないので,愛産大には,ひとまず科目等履修生で入学した。

愛知産業大学の通信教育を試した感想)

いろんな大学の通信教育課程を経験してきたのだが,例えば放送大学や日大なんかと比べると,愛産大の通信は,学習の進め方がわかりずらい。WEBページや印刷物のどこに何が書いてあるか探しにくいし,結局大学の事務に聞かないと分からないことが多い。レポートや作品を提出しても,結果が分かるまで結構な時間がかかるし,経過がわからない(ポータルサイトがあるが,ずっとシステムエラーで機能していない。)。

紙媒体もWEBも,なんというか,UI/UXがすごく悪い。デザイン系の学部だというのに。

この1年間で,4単位分ーー製図と構法の学科ーーの課題を提出したんだけれど,結局のところ,自分で市販の本を読んで,自分で解き方を考えて,そして提出するという作業を経て,とくに添削されるわけでもなく,単位をもらった。

これでは,何のために大学に金を払っているのかわからない状況。何よりも,時間の効率が悪い。金を払ってまで教えてほしいことは,結果に対する講評ではなくて,どのように問題を解くか・図面を引くのか,どうやって図面を引くのかという,もっと手前の基礎の部分なのだが,ここの通信教育というのは,どうやらそういうメソッドをとっていないようだ。完全に自学自習。もっとも,スクーリングは別なのだろうが。

A3用紙に8枚ほどの 製図の課題で「通り芯をもっと細く書くように」とのご指摘を受けたが,通信教育じゃなかったら,そんなことは,一番最初に指摘されたはず。通信教育だと,このように,作品完成後にようやく知らされて,最悪だと最初から全部作り直しという悲惨なことになる。

こういう手戻りは,精神的にきつい。賽の河原で鬼に石を崩されるのと同じ。

 ある程度建築の実務に通じていて,手っ取り早く建築士試験の受験資格をほしいというひとには最適化もしれないが,私のような素人には,まるで向いていないように思った。

(愛産大はひとまず終わりにして,大阪芸術大学を試してみる)

そんなこんなで,来期4月からは,大阪芸術大学の科目履修生に登録するつもり。

懲りずに,また通信教育だ。この続きは,このブログでご報告します。

 

 

最初の課題,ようやく完成 - 建築基礎製図

8枚の図面,ようやく完成。

図面をトレースするだけの課題だが,まったくの独学なので,どこから手をつけたらいいのかさえ分からない。4月から2週間あたり1枚のペースでのんびり書き始めて,5月の連休を利用して,一気に完成させた。

どの程度の完成度が求められるのかさえ,さっぱりわからない。

とりあえず,出すだけ出してみる。

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ルイス・カーンのフィッシャー邸をCADでトレース

手書きで製図するにも道具がないので*1,とりあえずCADでルイス・カーン*2のフィッシャー邸(Fisher House)をトレースすることにした。

何でフィッシャー邸かというと,愛知産業大学の製図課題が「やさしく学ぶ建築製図」に出ているフィッシャー邸の図面のトレースなのだ。

 とろこで,この本がちょっとややこしいことに,通り芯や建具の細かい部分の寸法が図面に書き込まれていなくて,明示されていない部分は図面に定規をあてて測らないといけない。しかも,オリジナルの建物と図面はインペリアル・モジュール(フィート,インチ)なのに,日本語版書籍ではメートル法で書き直してある。定規で測っても,測り方次第でバラバラな数字が出る。初心者泣かせである。

オリジナルにあたってみる

カーンのオリジナルの図面は,ネットに転がっているので,どうなっているのか確認してみた。(なお,著作権は切れていないと思うが,大丈夫か? 出典 https://whatzflux.files.wordpress.com/2014/12/quote_kahn_fisher-house1.jpg

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オリジナルの平面図(スリーピング・キューブ1階の一部分)

オリジナルの図面では,ヤードポンド法(インペリアル)ではきりの悪い寸法(=メートル法ではきりのいい数字)になっているところがいくつかあって,たとえば,基準線の間隔に「5'-10 7/8」なんてのが出てくる。これは1800ミリ。書籍だと,この1800の数字が重要な通り芯に使われているのだが,オリジナルの図面だと,ここは壁芯ではなく,壁の開口部と壁の外側(外壁外周を基準)との間隔で「6'-4 3/4''」=1950ミリになっている。*3

この差は,書籍では壁の厚さで調整しているように思うのだが,定規で計測したものをトレースすると,どうにも収まりの悪い差がでてくる。

本当にこれでいいのだろうか,不安になってきた。

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オリジナルの図面

 

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「やさしく学ぶ建築製図 最新版」(14ページ,部分)

きょうは,ここまで。

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autocadで作成途中

今回の費用

  • 「やさしく学ぶ建築製図 最新版」 中古で1,500円

 

*1:メルカリで中古の定規などを発注したのだが,3日たっても発送すらされない。工業高校の教材のようだが,写真を見る限り非常にきれい。きっと出品者は,勉強苦手だったのだろう。

*2:Louis Isadore Kahn1901年2月20日 - 1974年3月17日. エストニア出身の建築家

*3:ちなみに,壁厚は5 - 7/8'' = 149ミリ。2x6の柱に壁をつけるとこうなるのか?

愛知産業大学 造形学部 建築学科 の科目履修生を選んだ理由

愛知産業大学の通信教育。科目履修生が引き続き正科生にとして入学すると,入学諸費用から4万円割引になる。

科目履修生の入学諸費用は2万円+2単位で1万4千円=3万4千円。直接正規課程に入学するよりも,科目履修生を1回かませた方が安くなる。

なので,まずは通信教育ってどんな感じなのか試してみて,悪くなかったら,正規の学生で入るのがいいかと思う。向いてないと感じたら,やめればいいし。

通信教育では,単位が取れなくて退学する人がすごく多いらしい。年額30万円を超える高額な学費を払って退学は,結構辛い。

そんなこんなで,科目履修生で出願書類一式を送ったのが3月4日。

なんと,3月5日付けで大学から受理通知発送,翌6日に通知書受け取り。

履修登録した科目

建築基礎製図(2単位)。

なぜかというと,これがいちばん(分量的に)難しそうだから。いろんな学生が,1年次配当のこの科目の単位がとれなくて時間を喰っている。正式に入学する前にこれをとっておけば,後が楽かなと思って。

シラバス見たら,課題が8つ(A3ケント紙に製図)もある。

ここまでの費用

  • 科目履修生学納金 34,000円
  • 出願書類郵便料金 460円
  • 返信切手 63円

 

大学通信教育で建築を学ぶ

通信教育で建築を学べる大学は,今のところ4校あるみたい。

日本女子大学はオッサンの入学不可。そこで,愛産大,京都造形芸術大学大阪芸大を比較検討した。

まず,学費について。

学費は,授業料のほかに,スクーリング費用などがかかる。3年編入学の場合で,建築学科・コースで(留年なしに),建築士試験の受験資格を満たして卒業までにかかる費用は,最低でもおおよそこれくらい。東京在住なので,スクーリングは東京で受講する場合で試算。いずれも,学校が直接徴収する教材費や校友会・同窓会費,入学諸手続費用などを含めて計算。(間違っていたらご指摘ください。)

  • 愛産大 80万円くらい(入学金+授業料など。スクーリングの費用は授業料に含まれる。)
  • 京都造形 110万円くらい(入学金+授業料2年+スクーリングなど)
  • 大阪芸大 110万円くらい(入学金+授業料2年+スクーリング30単位+試験料など。大学の募集要項によると,スクーリング費用と授業料2年分で,合計87万2千円。)

このうち,愛知と京都は,東京でスクーリングを受講できる機会が多い。なお,愛知と京都は,一部科目の課題提出や試験の受験でWebを使える*1。これは便利。

そんなこんなで,愛知産業大学を選んだ。正科生ではなく,科目履修生で。

www.aisan-tsukyo.jp

なぜ科目履修生にしたのかは,次のエントリーで。

それにしても,京都造形芸術大学,ほんとに校名変更できるのだろうか?

www.sankei.com

*1:(2021-2-16追記:大阪芸術大学でも,一部の科目でWebで課題の提出が可能となっているようです。)

建築の学び方

建築を学びたくなったので,とりあえず図面のひき方から勉強することにした。

まずは,CADから。

おっさんだが一応学生(放送大学)なので, autocad の学生ライセンスで3年間は無料で使える。(ただし,非商用利用限定。)

autocadチュートリアル6回分を試す。

https://www.autodesk.co.jp/solutions/autocad-tutorials

毎日1課題ずつコツコツと。プリント基板(電子回路設計)のCADの経験があるので,簡単だった。(合計6日間)

次に,手書きの製図。

本を見ながら作図すればできそうだけど,誰かにチェックしてもらいたい。

検討したのは,つぎの方法

このうち,職業訓練校は,フルタイムの課程だと年齢制限(東京だと概ね30歳まで。最大でも35歳が限度。)があるので,自分の場合は対象外。パートタイムの課程で2級建築士試験の製図対策があるけど(キャリアアップ講習),今年度受験生のみの制限がある。(受験資格があれば,これがいい。)

そうすると,専門学校か大学通信教育となるが,専門学校は通学・通信課程ともに結構な費用がかかるので,経済的に無理。(受験対策ならともかく,一部の科目だけ学ぶのであれば,国立大学の科目履修生になるほうが安上がり。)

そんなことで,大学通信教育を受けることにした。

ところで,専門学校(専修学校専門課程)でも通信制が行われているが,大学や専修学校専門課程の編入基準である「修業年限2年以上で、総時間数が1,700時間以上又は62単位以上」(学校教育法132条)の条件を満たさないと,学業を中断して再開する場合,取得済みの学習成果を他校で再度積み上げたり,大学に単位を振り替えることが難しい。(例えば,町田・デザイン専門学校の建築士の通信教育課程は,2年42単位が卒業要件。)一時的にでも学習を中断する可能性が少しでもあれば,大学を選ぶのが無難。

大学通信教育については,次のエントリーで詳しく。